
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で利用されることを最優先に考えるモバイル第一主義の方法論「モバイルファースト」で作られるwebサイトが当たり前に見られるようになりました。
元々はwebサイトのデザインや設計についての概念でしたが、SEO対策においても「モバイルファースト」は、もはや定番になりつつあります。
この記事では、SEO対策におけるモバイルファーストの基本を押さえつつ、SEO評価につながるモバイルファーストの実践方法を見ていきましょう。
目次
モバイル端末を最優先に考える「モバイルファースト」とは?
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が普及したことにより、ユーザーが何か検索するときにモバイルを利用することを想定し、「モバイルファースト」を意識してwebサイトを作成することが当たり前になりました。
モバイルファーストの具体例としては、端末の画面サイズに合わせてwebサイトのコンテンツの見せ方を変えられるように「可変」(レスポンシブ)に設計する「レスポンシブwebデザイン」が採用されているもので、現状、特に珍しいものではなくなっています。
元々は「webサイトのデザインや設計周りを、モバイルを基準に発想しよう」といった概念の「モバイルファースト」ですが、検索エンジントップシェアのGoogleが2018年に「モバイルファーストインデックス」の展開を開始して以来、SEOの分野においても、もはや定番になりつつあると言っていいでしょう。
「モバイルファーストインデックス」(MobileFirstIndex、MFI)とは、検索エンジンがwebサイトの検索順位を決める情報登録(インデックス)を行う際、パソコンなどのデスクトップ版よりも、モバイル版のwebサイトを優先的にインデックスする、というものです。
つまり、モバイル版のwebページがメインでSEO評価されるようになるため、モバイル版を別のwebサイトで持つケースや、モバイル版のwebサイトを用意していないケースにおいて、検索順位が下がる可能性が考えられます。
なお、勘違いしやすいのですが、モバイルファーストインデックスは、あくまでモバイルの方を優先的に評価する方針を表明しているに過ぎません。
顧客とするターゲットユーザーがシニア層や企業法人であるwebサイトの場合、デスクトップ版の優位は未だ崩れていません。
これまで同様、webサイトの運営方針やSEO施策は、管理するwebサイトのターゲットユーザーの属性や状況などによって、個々に柔軟に検討すべきだと言えるでしょう。
SEO対策におけるモバイルファーストの実践方法
SEO対策におけるモバイルファーストの実践は、すなわちモバイルファーストインデックスの対応になります。
具体的には、次の2点を行いましょう。
- webサイトのモバイル対応状況を確認する
- webサイトをモバイルフレンドリーにする
(1)webサイトのモバイル対応状況を確認する
まずは、モバイル向けのwebサイトがどうモバイル対応しているかを確認します。
大きく分けて次のパターンが考えられます。
対応状況によって、どうすべきかが変わります。
1.レスポンシブwebデザインを採用し、ユーザーの端末の画面サイズによってwebページの見え方を変えるよう、モバイル対応している
2.モバイル版とデスクトップ版で、同じ内容で、別々のwebページを用意してモバイル対応をしている
3.そもそもモバイル対応をしていない
1のレスポンシブwebデザインのwebサイトを運営している方は、特に問題ありません。
モバイルファーストインデックスによって検索順位が相対的に上がることはあっても、ネガティブな影響は受けにくいでしょう。
2のモバイル版とデスクトップ版で別々のwebページを持っている場合、注意が必要です。
コストの関係などで、デスクトップ版のwebページばかりを優先し、モバイル版のwebページを用意しないような不均等な状況があると「コンテンツが少ない」とみなされ、モバイルファーストインデックス開始以前よりSEO評価が下がっている可能性があります。
3のデスクトップ版のみのwebサイトを運営している場合、2のように中途半端にモバイル対応しているwebサイトに比べると、評価対象が1つしかないため、モバイルファーストインデックスによってガクッと検索順位が落ちているような可能性は低いと言えるでしょう。
ただし、モバイルでの閲覧に適していないwebページは、SEO評価が低くなるGoogleの「モバイルフレンドリー」によって、デスクトップ版のwebサイトは、モバイル端末での検索順位が低くなりがちです。
ユーザーがモバイル対応した他のwebサイトを利用し続けることで、じわじわと検索順位が下がる可能性は否定できません。
(2)webサイトをモバイルフレンドリーにする
モバイルユーザーに対して、モバイルでの閲覧に適さないwebページのSEO評価が低くなる「モバイルフレンドリーアップデート」と呼ばれるGoogleの検索エンジン方針変更が、2015年に行われています。
Googleの推奨する「モバイルフレンドリー」は、基本的に「①レスポンシブwebデザインを採用し、ユーザーの端末の画面サイズによってwebページの見え方を変えるよう、モバイル対応している」ケースのみです。
Googleの推奨するモバイルフレンドリーに対応する方法は、次の記事をご覧ください。
前の項目の2に当てはまったwebサイトをモバイルフレンドリーにするには、レスポンシブwebデザインを採用したリニューアルをして、1の状況に持っていくことが一番です。
しかし、コストの関係などで早急に対応するのが難しい場合、せめてデスクトップ版とモバイル版が全く同じ量のコンテンツを持つように管理・運営するようにしましょう。
また、モバイル版のwebサイトは、必ずwebサイトの表示速度を確認しましょう。
Googleの提供するチェックツール「TestMySite」がおすすめです。
競合サイトと比較したり、具体的な改善点のレポートを出力できたりするため、効率的にページの読み込み速度を改善できます。
前の項目の3に当てはまったwebサイトをモバイルフレンドリーにするのは、かなり困難です。
当然、レスポンシブwebデザインを採用したリニューアルをして1の状況に持っていくことが一番ですが、今までモバイル対応していなかったことを考えると、複雑なwebサイトの運営・管理が難しい状況が考えられます。
今後のことを考えてwebサイトを変更する労力を払えるなら、デスクトップ版だけのwebサイトを運営し続けるよりは、デスクトップ版の対応は捨て、モバイルの中でも、スマートフォンの表示対応だけに決めうちしたようなwebサイトに置き換えてしまう方がよいといえるでしょう。
柔軟な発想が許されるケースなら、あえて「webサイトにこだわらない」こともできます。
具体的には、モバイル対応している既存サービスを利用することです。
FacebookやInstagramなどのSNSの機能や、ブログなどのwebサービスを活用する方法です。
しかし、運営・管理のしやすさは上回ったとしても、SEO効果でいえば、当然webサイトの方が圧倒的に上です。
また、独自のwebサイトであることが社会的な信用にもつながる面もあるため、あくまで最終手段の一つとして考えてください。
また、新旧のwebサイトの併用期間があると②で説明したようなネガティブな状況をまねいてしまうため、注意しましょう。
webサイトを完全に切り替える時は「リダイレクト」を設定し、古いwebサイトのSEO評価を引き継ぐようにすることも忘れずに実施してください。
リダイレクト設定をしっかり行わないと、同じコンテンツを持つwebサイトが複数あると勘違いされてSEO評価が下がる可能性があるので、これも注意が必要です。
まとめ
元々はwebサイトのデザインや設計についての概念であるモバイルファーストも、SEO対策においては、モバイル版のwebサイトを優先的に評価する、Google「モバイルファーストインデックス」として浸透しています。
モバイルに対応したwebサイトを用意し、モバイルフレンドリーにすることで、着実にSEO評価へつなげましょう。