
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
SEO対策はいろいろありますが、実は「webサイトの素材であるファイルデータをどう置いておくか」でも、SEO評価が変わってくることはご存知でしょうか。
webサイトの階層的な作り「ディレクトリ構造」をうまく利用することで、SEO評価を上げることができます。
この記事では、SEO対策に重要なディレクトリ構造とは何か、その効果と、SEO評価を上げるディレクトリ構造を構築する上でのポイントをご紹介します。
目次
SEO評価に影響する「ディレクトリ構造」とは?
ディレクトリ構造を理解するために、そもそもディレクトリとは何か、関連するキーワードも含めて、定義を確認しておきましょう。
「ディレクトリ」(directory)とは、コンピューターのデータファイルの一覧のことです。
元々の英単語の持つ意味は、電話帳や住所録、名鑑など、同じような属性の情報をリスト化したものですが、IT用語におけるディレクトリのイメージも、似たようなものです。
画像や動画などのデータファイル、HTMLファイルやCSSファイルなど、webページの構成する要素の一覧表がディレクトリであると言えるでしょう。
パソコンを触る方は、こう表現した方がわかりやすいでしょう。
ディレクトリとは「フォルダー」のことです。
「フォルダー」はWindowsやMacなどのパソコン以外でのコンピューターでは、ディレクトリと呼ばれる、というだけのことなのです。
例えば「ディレクトリ名」はそのまま「フォルダー名」と同じ概念です。
webサイトを運営管理するにはパソコン以外のコンピューターも使うため「ディレクトリ」という表現が優先されて使われているだけで、特に身構える必要はありません。
ディレクトリ構造は、樹形図として表現されることが一般的です。
ここでは、わかりやすく「フォルダー」として、webサイトがどう作られているかを見ていきましょう。
webページを構成する要素は「フォルダー」でまとめられます。
フォルダーは、フォルダーの中に別のフォルダーを入れ、コンパクトにまとめることもできます。
このフォルダーの配置や構成が「ディレクトリ構造」です。
ディレクトリ構造は、webサイトごとに一定のルールを決めて作ります。
イメージとしては、自分で住所録を作るときに「各連絡先は『氏名、性別、郵便番号、住所、電話番号』というルールで、そろえる」「五十音順で並べる」と決めるようなものです。
webページを作るときも、同じです。
各コンテンツのフォルダーやファイルの命名規則、配置規則を取り決め、その規則に基づいてwebサイト管理・運営を行います。
webページの見た目さえ魅力的であれば、webページを構成する要素の配置など混沌としていても、誰にも気づかれないだろうと思ってしまいがちですが、ディレクトリ構造はユーザーの目に触れます。
「https://」から始まるwebページの所在地を表す「URL」(ユーアールエル)として、検索結果にも表示されるのです。
例としてあげたURLを参考に説明を続けます。
「https://www.hackthehack.jp/seo-url/」
「https://www.hackthehack.jp」はwebサイトの所在地として固定で決まっています。
要はトップページです。
これ以降の半角スラッシュ「/」は、樹の分かれ目のフォルダーを表しています。
つまり「seo-url」という名前のフォルダーがあることがわかります。
ディレクトリ構造をきちんと構築することは「URLをどういうルールで設定するか」にもつながることを押さえておきましょう。
なお、URLについて詳しく知りたい方は、次もあわせてご覧ください。
URLだとイメージしにくい方のために、もう一つ例をあげます。
webサイトのディレクトリ構造を、ユーザーにわかりやすいイメージで伝えるものとして「パンくずリスト」というものがあります。
パンくずリストとは、訪問しているwebサイトのトップページから見て、今閲覧中のwebページがサイト内のどこに位置するかを、常に見えるようにしてあるものです。
「パンくず」と呼ばれる由縁は、有名な童話「ヘンゼルとグレーテル」のエピソードで、森の中を進むとき、迷子対策で兄妹が「パンくず」を道にまいたことから来ています。
パンくずリストは、どのwebサイトも共通したデザインで、webページの同じ位置、多くの場合でwebサイトの上部に表示されます。
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この並び方が、URLの並び方と同じであることに気付きましたでしょうか?
一番大事な大元が一番左に配置され、個々の情報が右に配置されるようになっています。
ディレクトリは、重要な順に配置されるようになっている、ということを押さえておきましょう。
なお、パンくずリストの場合、webサイト運営者が自由に設定できるリンク集のようなもので、URLほどの厳格さはありません。
ユーザーへのわかりやすさを優先し、実際のディレクトリ構造とイコールではないケースもありますので、あくまで参考としましょう。
URLやパンくずリストの例で示したように、ディレクトリ構造はwebサイトを形作る要素として、とても重要であることを覚えておきましょう。
ディレクトリ構造をきちんと構築すると得られるSEO効果
ディレクトリ構造をきちんと構築すると、大きく3つのSEO効果が得られます。
・webサイトの評価が上がる
・インデックス効率が上がる
・webページのクリック率が上がる
(1)webサイトの評価が上がる
ディレクトリ構造をきちんと構築することで、webサイト全体がテーマやカテゴリとして整理されます。
そのため、webサイトのテーマに対し、コンテンツが不足しているのがわかったり、コンテンツの内容が重複しているのを見つけやすくなったりします。
Googleは、テーマに統一感があって網羅性のあるwebサイトを高く評価するため、それだけでSEO評価が上がります。
また、webサイトの管理や運営の効率が良くなります。
ルールに則って、ファイルが保管されるため、リンクや表示の不備などのエラーが起こりにくくなることも、webサイトの基本ではありますが、評価につながる大切なポイントです。
(2)インデックス効率が上がる
ディレクトリ構造が整理された状態を、サイトマップやパンくずリストによってユーザーに見えるようにすると、ユーザビリティーが上がります。
使い勝手が良ければ、ユーザーの信頼も得られるでしょう。
サイトマップについて確認されたい方は次をご覧ください。
サイトマップを用意することは、ユーザーだけでなく、検索エンジンに対する評価にもつながります。
検索エンジンの検索順位を決定するための情報を集める自動巡回ロボット「クローラー」は、サイトマップを元に仕事をするため、整理されたディレクトリ構造にすることは、その検索エンジンへの情報登録(インデックス)を効率化することにもなります。
(3)webページのクリック率が上がる
様々なSEO対策が施されたwebサイトが氾濫する中で、ITに素養のある賢いユーザーが、最終的にチェックするのはURLです。
ディレクトリ構造を見直して、フォルダー名に検索キーワードを盛り込んでいれば、検索結果で表示されるURLを見たユーザーが流入するため、クリック率は上がるでしょう。
SEO評価を上げるディレクトリ構造を構築するためのポイント3つ
SEO評価を上げるディレクトリ構造を構築するなら、3つのポイントを守りましょう。
・ディレクトリ名には半角・小文字・英数字を使う
・階層が浅くなるディレクトリ構造を考える
・カテゴリはコンテンツのディレクトリ名の中に盛り込む
(1)ディレクトリ名には半角・小文字・英数字を使う
大前提としてディレクトリ名の命名規則は、半角・小文字・英数字を基本としましょう。
表現を統一するだけで無用なトラブルを避けることができます。
全角文字と半角文字、ざっくり違いを押さえておくと、半角の方は全角よりも半分のスペースで表示され、スマートな見た目です。
例えば「1」が半角で、「1」が全角です。
違いがわかるでしょうか。
日本語を入力した場合、見た目が半角に見えた場合でも、コンピューターには全角文字として扱われるので、注意しましょう。
フォルダー名が全角文字で設定できるのと同じように、webページのディレクトリ名も、全角文字で表現できます。
しかし、そうするとURLが一部日本語になってしまいます。
全角文字のURLはwebサイトを見る環境によって、うまく表示できないトラブルや問い合わせのもとになるため、おすすめしません。
また、半角英数字と間違えて、全角の英数字のディレクトリ名に設定した場合、日本語を設定したのと同じです。
同じようにトラブルの元になります。
必ず半角文字であることを確認してください。
お分かりかと思いますが、大文字が「A」で小文字が「a」です。
検索エンジンでは大文字と小文字は区別しません。
そのため、大文字でもよいと考える方もいるかもしれませんが、webサイトは複数のコンピューターや記述言語が連携して組み合わさって動いています。
連携先のwebサービスが使っているコンピューターの種類によっては大文字を認識できないものもあります。
頭文字や単語の区切りを表現するために、ディレクトリ名に大文字を入れるケースを見かけますが、おすすめしないのはトラブルになる可能性があるからです。
キーワードの英単語をつなげたいときは半角ハイフン「-」を使いましょう。
半角アンダーバー「_」は避けましょう。
半角ハイフン「-」はいいのに、半角アンダーバー「_」はダメな理由を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
(2)階層が浅くなるディレクトリ構造を考える
webページの情報を置くディレクトリの階層を浅くすること、具体的には、webページのURLの半角スラッシュ「/」の数を少なくすることは、SEO対策につながります。
webサイトのトップページから、あるwebページがどれくらい離れているかを見るには、半角スラッシュ「/」を数えましょう。
半角スラッシュ「/」の数が少ないほど、トップページとの距離は近いことを表します。
webサイトでトップページから別のwebページへ飛ぶ場合、地下のビルをエレベーターで移動するような、縦軸でイメージされることが多いため、階層が浅い・深いと表現されます。
これは先ほども例で挙げたURLですが、webサイトの所在地としてURLに必須のトップページ情報「https://www.hackthehack.jp」の後にある、半角スラッシュ「/」の数が、他のwebサイトと比べると少ないことがわかるでしょう。
SEO対策を考えずにURLを決める場合、このようなURLになるようなディレクトリ構造にするのがまだまだ一般的でしょう。
webコンテンツということで「contents」に分類して更にカテゴリとして「seo」として、更に記事の内容を表す「seo-url」とする発想で、論理的ではあります。
しかし、これだとトップページから階層が深くなり、トップページから距離が離れてしまいます。
トップページを地上階で例えると、地下1階、地下2階を通り越して地下3階にいるようなものです。
検索順位を決めるための情報収集をする自動巡回ロボットの「クローラー」は、トップページから距離が近いもの、階層が浅く設定されているwebページほど重要だと評価します。
つまり自動巡回ロボットのクローラーは、地下3階にあるコンテンツより、地下1階にあるコンテンツを確認したがる、ということです。
そのため、webページの階層はできるだけ浅いwebサイトを作成することで、SEO対策になります。
(3)カテゴリはコンテンツのディレクトリ名の中に盛り込む
webサイトの管理やユーザーの使い勝手の観点から、コンテンツのカテゴリ分類がされるのは、ごく一般的なことです。
しかし、カテゴリを1つのディレクトリとして設けると、1つ階層が深くなるため、それだけでSEO対策に影響を与えてしまいます。
そのため、カテゴリはコンテンツをまとめたディレクトリ名に盛り込んでしまいましょう。
先のパンくずリストの例でもご説明した通り、ユーザー向けのサイトマップやパンくずリストを作って「SEO」というカテゴリのディレクトリがあるように見せることも可能です。
ユーザー導線とディレクトリの実態は別物として考えるようにしましょう。
まとめ
ディレクトリ構造を構築する際は、できるだけ階層を浅く、コンテンツのディレクトリ名は検索キーワードに該当する半角英数字で表現し、カテゴリ名も含めるようにしましょう。
ディレクトリ構造をきちんと構築するだけで、着実にSEO評価につながります。