
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
SEO対策は、検索エンジンごとに行う必要があり、検索エンジンごとにSEOルールブックとも言える「ガイドライン」があります。
検索エンジンのGoogleには2種のガイドラインがあり、不定期に内容が更新されます。
この記事では、SEO対策においてガイドラインが重要視される背景を説明しつつ、特にSEOに関わる2つのガイドラインについてのポイント、2019年5月の品質に関わるガイドラインから最近のGoogleの傾向についてご紹介していきます。
目次
SEO対策の攻略本「ガイドライン」が重要視される背景
SEO対策は、検索エンジン対策です。
検索エンジンといえば、有名なものはGoogleですが、世界にはこれ以外にも無数の検索エンジンがあります。
検索エンジンの命題として「ユーザーに最適の検索結果を返す」というものが共通している以上、どんな検索エンジンでもSEO評価の考え方の核は似通っています。
それでも、評価方法や評価基準など細かなところが異なるため、検索エンジンごとに対応すべき細かな部分が異なります。
SEO対策をするには、検索エンジンごとに費用がかかります。
現状、検索エンジンのトップシェアはGoogleです。
費用対効果を考えれば、自然と「Google対策をすることがSEO対策」となります。
SEO対策に必要なのが「Googleは、どんな評価軸で、どんな評価方法をするのか」ということを知ることと言えるでしょう。
それはGoogleからガイドラインとして提示されています。
SEO対策で特に影響のあるガイドラインは2つです。
「品質に関するガイドライン」で評価軸を、「一般的なガイドライン」で評価方法を読み取ることができます。
一般的にガイドラインに沿ったwebページを作ることで、確実かつスムーズにwebページを検索できる状態にすることができます。
品質に関するガイドラインを参考に、質の高いwebページの管理・運営を行うことで、検索結果で上位に表示される状態にすることが可能です。
ただし、ガイドラインはあくまで考え方や方針を示すものなので、読めばすぐにSEO対策に取りかかれるような手順書ではありません。
それでも、2つのガイドラインを知らなければ、効果のあるSEO対策は行えません。
SEO対策の攻略本とも言える、重要なものであることをおさえておきましょう。
Googleのガイドラインでおさえておきたいポイント
(1)一般的なガイドライン
ガイドラインは、誰でも見られるようにweb上に公開されています。
「一般的なガイドライン」とは、ウェブマスター向けガイドラインのページを少しスクロールした先にある「一般的なガイドライン」の3原則のことです。
▼で展開して、内容を確認することができます。
①Googleがページを検出できるよう手助けする
②Googleがページを理解できるよう手助けする
③訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
後々のことを考えれば、実際にGoogleのガイドラインの文章を読んで理解した方がいいのですが、正直なところ、ガイドラインに限らず、Googleが公表する文章は専門用語が多い上、少し癖があって読みにくいです。
どういうことが書かれているか、要約や意訳している、この記事のようなwebページを参考にしながら、見ていくとよいでしょう。
①Googleがページを検出できるよう手助けする
webサイトを作っても、作り方によってはGoogleが確認できず、検索できない可能性があります。
Googleがwebページを検出できるようにするために、必要な要素を示しています。
・webページは、リンクで相互にアクセスできるか確認。リンクは指定の形式で行う
具体的には
<ahref="webページのURL">リンク名</a>
に設定。
・webサイトの見取り図「サイトマップ」を用意
・webページ内のリンク数は抑える(最大で数千個)
・webページのファイルを置く場所「webサーバー」がGoogleの要件に対応しているかを確認
・webサーバーにある必須ファイルは最新の情報をキープ
サイトがGoogleに認識されるようにする方法:
・Googleにwebページの情報登録を依頼
・Google以外にも、webページができたことを知らせる
②Googleがページを理解できるよう手助けする
Googleがwebページを検出できても、肝心のwebページの内容を精査できないと、それがユーザーに役立つwebページなのかを判断できず、検索結果に表示できません。
Googleがwebページのコンテンツ内容を理解できるようにするために、必要な要素を示しています。
・情報が豊富で、わかりやすいwebページを作成
・検索キーワードとwebページの内容を一致させる
・webページのタイトルは指定の形式。
具体的には
<title>ページタイトル</title>
画像があるなら、ロボットが理解できるように補足説明をつける。
例えば
<imghref=”画像ファイル名”alt=”画像の説明文”>
のように設定。
・webサイトの見せ方を、カテゴリー別にするなど工夫
・画像、動画、それ以外の付加情報を用意するなら、Googleの要件に従う
・コンテンツ管理するソフトウェアを使う場合は、Googleの要件に対応するかを確認
・ちゃんと情報登録が行えるように、webページを用意
・ちゃんと情報登録が行えるように、webページを設定
・重要なコンテンツは、ちゃんといつでも見えるようにする
・情報登録の邪魔にならないように広告表示を設定
③訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
webページを検出、webページの内容精査はロボットなどを使って自動で行われますが、実際にwebページを利用するのは人間の訪問者、ユーザーです。
ユーザーがwebページのコンテンツを利用しやすくするために、必要な要素を示しています。
・重要なものは文字で書く。文字の代わりに画像があるなら、画像が表示されなかった時にユーザーが理解できるように代わりに表示する文章をつける。
例えば
<img href=”文字画像ファイル名”alt=”文字画像の説明文”>
のように設定。
・リンクを貼ったら、ちゃんと機能しているかを確認
・webページの表示速度をできるだけ速くするように工夫。速度チェックもおすすめ
・スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末の小さな画面でも見られるよう、画面サイズにあわせて表示が変わるレスポンシブwebデザインでwebページをつくる
・InternetExplorerやGoogleChrome、Safariなどのブラウザーによってwebページの見え方が変わるため、ちゃんと表示されるかを確認
・安全に通信するためHTTP化する
・さまざまなユーザーニーズに対応して、使い勝手をよくする
(2)品質に関するガイドライン
品質に関するガイドラインの基本方針は「一般的なガイドライン」の下に書かれています。
比較的平易な文章なので、特に解説は必要ないでしょう。
基本方針
検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
ユーザーをだますようなことをしない。
検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為をしない。ランクを競っているサイトやGoogle社員に対して自分が行った対策を説明するときに、やましい点がないかどうかが判断の目安です。その他にも、ユーザーにとって役立つかどうか、検索エンジンがなくても同じことをするかどうか、などのポイントを確認してみてください。
どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトと言えるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。
基本方針を守るために具体的にしてはいけないことを「具体的なガイドライン」として提示しています。
・コンテンツの自動生成
・不正なリダイレクト
・リンクプログラム
・クローキング
・隠しテキストと隠しリンク
・誘導ページ
・無断複製されたコンテンツ
・アフィリエイトプログラム
・キーワードの乱用
・悪意のある動作を伴うページの作成
・ユーザー生成スパムに関するガイドライン
・コメントスパムを防止する方法
・スパム、有料リンク、マルウェアを報告する
各項目について独立したページがあるので、それぞれ参照してください。
品質に関するガイドライン
※各項目のリンク集になっています
なお、品質に関するガイドラインは、SEO対策を行う上で主にやってはいけないことについて言及したものです。
具体的にSEO対策を行いたい場合は「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」を参照しましょう。
要チェック!品質に関するガイドラインから見る最近のGoogleの傾向
「品質に関するガイドライン」は、2019年5月に更新されています。
更新した差分のポイントを押さえて「Googleが今、何を重要だと考えているか」の傾向を確認しておきましょう。
「ページ品質」の再定義
過去に「E-A-T」と表現していた箇所が「PageQuality」(ページ品質)に置き換わっている傾向にあります。
「E-A-T」は、Googleが求めるコンテンツに求められる要素で、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字からきています。
全部が全部、置き換わった訳ではありませんが、一般的な用語の「ページ品質」という置き換えから、そもそもの「ページ品質」の再定義が行われた可能性があります。
実際のところ、金融や医療、法律など、生活・生死に直接的な影響を与えるwebサイト以外、コンテンツの著者の専門性がそれほど求められなくなる変更が行われています。
今までは、全てのwebサイトに「E-A-T」を求めていたのが、専門性を問わない条件も出てきたのは、Googleのページ品質に対する考え方に大きな変化があったと言えるでしょう。
確かに、日常をつづっている個人のwebサイトに対して「料理人ではないのに料理のレシピを書いている」とか「映画評論家ではないのに映画の批評をした」とかいったような判断でSEO評価を下げることは、実態にあいません。
質の良いコンテンツなのに、専門性を評価されないだけで検索上位にならないとすれば、ユーザーに最適の検索結果を返しているとは言い難く、妥当な方針転換であると言えるでしょう。
ユーザーエクスペリエンスの重要度
ユーザーが検索を通じて得る体験「ユーザーエクスペリエンス」を損なうケースがあるとして「インタースティシャル」への言及が増えています。
インタースティシャルとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でwebサイトを閲覧する際に、コンテンツが見えなくなるほど画面に大きく表示させる手法で、広告表示や、ログイン確認、意思確認などに使われます。
不必要に大きく表示したり、ユーザーの閲覧を妨げたりするインタースティシャル表示に対して、2017年にもSEO評価を下げる更新を行なっていますが、大きく検索順位に影響するものではありませんでした。
品質に関するガイドラインに言及されたことで、今後、その影響度合いが変わる可能性があると言えるでしょう。
確かに、検索上位に表示されたwebページを開いたところ、コンテンツを覆うように何かが画面に大きく表示されたら、ユーザーは戸惑います。
ユーザーによっては検索結果に戻る「離脱」を行うでしょう。
離脱率は今もSEO評価に影響していますが、こういったユーザーエクスペリエンスに影響する要因に関して、インタースティシャル以外も、SEO評価への影響度合いが見直される可能性があると言えるでしょう。
まとめ
SEO対策においてガイドラインが重要視される背景を説明しつつ、特にSEOに関わる2つのガイドラインについてのポイント、2019年5月の品質に関わるガイドラインから最近のGoogleの傾向についてご紹介しました。
ガイドラインは、Googleの考え方を示したものですが、SEO対策の攻略本のようなものです。
今回はポイントをご紹介していますが、webページをつくる際は、実際のガイドラインをよく読み込むことをおすすめします。
また、ガイドラインは定期的に更新もされるため、Googleの方針変更を読み取るためにも、更新差分はきちんとチェックするとよいでしょう。