
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
SEO対策のキーワードはどのように決めていますか?
もし、「良さそう」という思いつきなど感覚で決めているとしたら要注意です。
キーワード選定は、SEO対策で成果を出すための鍵となる作業です。
本記事では、SEO対策の正しいキーワード選定方法を解説します。
目次
SEO対策のキーワード選定で見るべきポイントは3つ
キーワード選定の手順を説明する前に、まず選定時のポイントをお伝えしておきます。
ポイントは次の3つです。
- CVに近いキーワード
- 検索ボリューム
- 競合性
詳しい基準や方法は手順解説のところでお伝えしますが、ここではそれぞれの大枠の意味を解説していきます。
CVに近いキーワード
出来るだけCVしそうな検索キーワード、売上に繋がりそうなキーワードをピックアップしてください。
CVに近いキーワードからのアクセス=質の高いアクセスとなります。
CVに近いキーワードと言われてもピンとこないかもしれませんので、例を挙げて説明します。
自社サイトがシミ消しクリームの販売サイトだと仮定すると、次のどちらのキーワードがCVに近いでしょうか?
A:「シミを消す方法 食事」
B:「シミを消す方法 クリーム 比較」
答えはBになります。
AもBも同じく「シミで悩んでおり、消す方法を探しているユーザー」の検索ワードに違いはありません。
しかし、Aは食事での解決方法を探しているユーザーです。
そのため、この時点ではシミ消しクリームを欲しているわけではないのがわかりますよね。
一方、Bはシミを消すクリームを探しており、どのクリームが一番効くのかを比較検討する段階のユーザーです。
つまり、買うことを前提として検索してきたことがわかります。
このことから、BのキーワードのほうがCVに近いと判断できるのです。
検索ボリューム
SEO対策するにしても、検索ボリュームがないキーワードを選んでも意味がありません。
実際に検索エンジンで検索されているキーワードをピックアップしましょう。
検索ボリューム=サイトのアクセス量となります。
例えば、検索ボリュームが月間で1,000あるキーワードと、100しかないキーワード、どちらもSEOで1位をとったとしましょう。
サイトへのアクセス量が多くなるのは、前者であると想像できますよね。
このように、SEOで同じ順位である場合、サイトへのアクセス量を左右するのは検索ボリュームとなります。
競合性
競合性はSEO対策の難易度を示します。
競合性が低いと、SEO対策を行って上位表示を取りやすいです。
逆に競合性が高いと、上位表示のハードルも高くなります。
競合性が高いワードは、大手や強力なアフィリエイターが検索結果の上位を陣取っている場合が多いです。
そのため、SEO対策を行っても現実的に勝つのが困難なケースもあります。
競合性=SEO対策の難易度と理解し、競合性の低いワードからSEO対策を行っていきましょう。
競合性の基準値については、キーワードプランナーで取得したデータを参照し「0.1以下」のものを選ぶのが良いです。
詳しくは後述しますので、続けてご覧ください。
SEO対策の正しいキーワード選定方法
ここからは具体的にSEO対策のキーワード選定手順を説明します。
キーワード選定に使える無料ツールも合わせてご紹介するので、見ながら一緒にやってみてください。
ステップ1:SEO上位表示を目指すキーワードを決める
SEO対策で上位表示を目指す主軸のキーワードを決めます。
CVに出来るだけ近いワードを選ぶということを、ポイントのところでも説明しましたが、具体的には下記をチェックしてください。
- リスティング広告の検索クエリデータ
- 自社コンテンツのアクセス解析データ
- 競合が対策しているキーワード
- 自社で想定しているユーザーのイメージ
リスティング広告のデータであったり、自社コンテンツの実際のアクセスデータは重要です。
実際にCVしたキーワードであるため、ユーザーニーズにマッチしているキーワードとなります。
特に、リスティング広告でクリック単価が高いキーワード。
これをSEO対策で上位表示させることができれば、お金をかけずに良質なユーザーを集客できるようになります。
例:
クリック単価が1000円、CVRが5%だった場合、1人あたりの獲得コストは20,000円になります。
月間100人を集客していたとすると、月間コストで200万円。
これをもし、対象のキーワードでSEO対策し1位を取れるようになったとしたら、毎月200万かかっていたコストが0円になるということです。
また、競合が対策しているキーワードも非常に参考になります。
調べ方としては、シミラーウェブで確認することが出来ます。
(無料版で確認することも可能です)
検索エンジンからの流入ワードと、リスティングなどの有料広告でどのキーワードで出しているのか見ることが出来ます。
そのキーワードがSEO対策のキーワード候補となります。
もし、上記のデータがない場合、そのときは自社で想定するユーザーイメージで決めても問題ありません。
ステップ2:キーワード調査を行う
SEO対策を行うキーワードのピックアップが完了したら、次はそのキーワード調査です。
対策を行うキーワードを、より細かく見ていきます。
ここでは、次の2つの無料ツールを使います。
まずgoodkeywordを使って対策を行うキーワードを入力しましょう。
検索結果が表示されるワードをコピーします。
次に、キーワードプランナーです。
「検索ボリュームと傾向を取得」のところに、先ほどコピーしたキーワード一覧を貼り付けます。
出てきた取得結果をエクセルでダウンロードします。

キーワードプランナーの検索結果をエクセルにダウンロードした画面
主に表のB列、D列、E列を見ていくことになります。
その他の列は消してしまったほうが、エクセルがすっきりして見やすくなるので、整えておきましょう。
ステップ3:抽出キーワードを分類する
取得結果のエクセルで、抽出キーワードを分類します。
なぜ分類するかというと、出てきたキーワード一覧の中でも不要なものや、検索意図が同じキーワードがあるからです。
自社サービスと明らかに関係のないキーワード、それから検索ボリュームが100以下のものは削除してください。
※検索ボリューム100以下のものは、検索するユーザーが少なすぎてサイトのアクセスに結びつかない可能性が高いため。
次に、検索ボリュームが3000以上のキーワードをピックアップします。
検索ボリューム3000以上のキーワードは、競合も多くSEO対策の難易度が高くなる傾向にあります。
そのため、対象となったキーワードは更に細かく調査を行い、3000以上の検索ボリュームがなくなるまでステップ2の調査を繰り返し行ってください。
- 自社サービスと関係ないキーワードは削除
- 検索ボリューム100以下のキーワードは削除
- 検索ボリューム3000以上のキーワードが無くなるまで分解
ここまで行ってから、抽出キーワードを分類していきます。
分類する基準は、検索意図が同じキーワードのものです。
具体例を挙げます。
「シミ 消す方法 」
「シミ 消すには」
「シミ どうすれば消える?」
この3つのキーワードは、言葉は違うものの検索意図としては同じ「シミを消す方法」を欲していることがわかりますよね。
そのため、これらのキーワードで1記事ずつ作成する必要はなく、1記事にまとめて書くこととなります。
このようにして、検索意図が同じものはグループにまとめていき、表を整理していきます。
表の整理が完了したら、次に実際にSEO対策でコンテンツを作成していくキーワードを決めます。
どのキーワードからSEO対策を始めていくか、基準としては、検索ボリューム100以上500以下、競合性0.1以下のものです。
それにCVから近いキーワードという視点を加えて、対策キーワードを選定してください。
補足
検索ボリュームと競合性が比較的低いものから施策していくのがオススメです。
なぜなら、SEO対策で上位表示を狙いやすいためです。
まずは難易度の低いキーワードで、上位表示の実績を積み重ねていきましょう。
小さい検索ボリュームのキーワードであっても、上位表示されるコンテンツが多くなるということで、サイトの評価が徐々に上がってきます。
最初から大きい検索ボリュームでSEO対策を行い、検索順位の下の方でくすぶっているより、小さくても1位の実績を多く積み重ねるほうが良いのです。
また、競合性に関して、経験からお話すると0.05以下になると上位表示を狙いやすくなります。
ステップ4:ユーザー想定と記事内容を考える
選定したSEO対策キーワードでコンテンツを作成した際の、想定読者を考えましょう。
何を解決したくて、どのようになりたいユーザーがそのキーワードを検索してコンテンツにたどり着くのか?
そのユーザーに対し、どのようなコンテンツを提供すれば喜んでもらえるのか?
2点を考え、記事を読む読者と、記事の大枠の内容を決めましょう。
実際に対策キーワードでの検索結果もチェック
ここで実際の検索結果にどのようなコンテンツが上がってきているのかを確認することも大事です。
よくあるのが「●●10選」「○○比較20社」などタイトルに実数が入っている記事です。
SEO対策において、検索上位の記事よりも情報量が豊富という点も評価に含まれる傾向があります。
そのため、検索結果上位サイトよりも上回る数をコンテンツに盛り込むというのも対策となります。
ステップ5:関連キーワードを選定
コンテンツ内容を考え構成を作っていく中で、その記事から派生してキーワードが現れることがあります。
わかりやすい例でいうと、サービスの比較記事やランキング記事です。
「おすすめ○○10社比較」
この場合、10社のサービスの特徴や価格などで比較されている記事になりますが、サービス比較だけでなく口コミやレビューも大事です。
そのため、各社サービスの口コミ、レビュー記事など関連記事へと繋がっていくことができます。
このように、1つの記事だけで完結させず、関連キーワードを見つけて情報の網羅性を高めていくこともSEO対策として重要となります。
まとめ
SEO対策のキーワード選定方法を具体的に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
地道な作業となるため、大変に感じたかもしれません。
しかし、この作業を継続的に積み重ねていくことで、SEO対策の結果は必ず出ます。
本記事で解説した正しいキーワード選定方法を見ながら実践し、SEO対策を始めてみてください。