
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
SEO対策の中でも、最近、検索結果の表示で注目されているのがwebサイトの一部を切り出された情報の切れはし「スニペット」です。
本記事では、スニペットとは何か、リッチスニペットや強調スニペットについて押さえつつ、スニペットを表示させてSEO対策につなげるにはどう実装すればよいかを見ていきます。
目次
SEO対策で注目される「スニペット」とは?
スニペット(snippet)とは、直訳すると「切れはし」や「断片」という意味で、検索エンジンの検索結果で表示されるwebページの一部のことを指します。
検索結果で表示されたwebページの説明を見たユーザーを呼び込むことができるため、SEO対策になります。
なお、IT用語としては、元々、再利用できるようにパターンを登録したプログラムの断片に対して使われていましたが、そちらは「コードスニペット」(codesnippet)と呼ばれることが多く、検索エンジンが表示するwebページの一部という意味のスニペットとは区別されることが多いようです。
この記事では、SEO対策になる、検索結果で表示されるwebページの一部を意味するスニペットについてご紹介していきます。
SEO対策になるスニペットには、大きく3つの種類があります。
- webページの説明などが表示されるノーマルな「スニペット」
- 画像や基本情報が表示される「リッチスニペット」
- 検索順位1位を超える「強調スニペット」
(1)webページの説明などが表示されるノーマルな「スニペット」
先ほど説明したような、定型的な文章がメインのwebページの説明文を表示するものは、ただ単に「スニペット」と呼ばれます。
(2)画像や基本情報が表示される「リッチスニペット」
定型的なwebページの紹介以外に、イメージ画像や基本情報を表示するものは「リッチスニペット」と呼ばれます。
通常のスニペットよりも、情報が豊富(リッチ)なので、リッチスニペットです。
検索結果画面において、リッチスニペットのないwebページよりも情報量を多く提示できるため、ユーザーを引き込みやすくなります。
画像や動画だけでなく、関連する基本情報にもいろいろな要素があります。
ここでは、見かけることの多い使用例を4つ挙げます。
(3)検索順位1位を超える「強調スニペット」
ユーザーが言葉の意味などの疑問や質問を検索したとき、検索結果の最上位にその回答にあたる要約が表示されるものを「強調スニペット」と呼びます。
他の検索結果から飛び出して表示して強調されるので、強調スニペットです。
一般的に使われる用語で、かつ辞書に載っていないようなキーワードを、単独で検索したり、「○○ とは」「○○ 意味」のように検索したりすると、強調スニペットが表示されることが多いようです。
強調スニペットは、検索エンジンの結果表示の延長で行われているため、いつも必ず表示される、という性質のものではありません。
現時点で強調スニペットの表示は、Q&A、とFAQ(よくある質問)とHowto(ハウツー・やり方)の3つがあります。
スニペットを表示させてSEO対策につなげるには?
続いて、スニペットを表示できるように実装するにはどうすればよいか、具体的な3つの方法を見ていきましょう。
(1)ノーマルなスニペット:descriptionタグを活用する
ノーマルなスニペットを表示させるには、HTMLのdiscripeionタグを使用し、webページの要約文を実装しましょう。
discripeionタグ内の情報を、検索エンジンのSEO評価のための情報を集める自動巡回ロボット「クローラー」が読み込み、そのwebページの要約としてふさわしいと判定された場合、検索結果にスニペットとして表示されるようになります。
必ずしもdescriptionで設定した内容がスニペットとしてそのまま表示される訳ではないという点も認識しておきましょう。
要約としてもっとふさわしいという文章があった場合、コンテンツの本文の一部がスニペットとして表示されるケースもあります。
<metaname="本記事では、スニペットとは何か、リッチスニペットや強調スニペットについて押さえつつ、スニペットを表示させてSEO対策につなげるにはどう実装すればよいかを見ていきます。">
headタグ内に記述します。
「name」の部分で名称を指定して「content」の部分で具体的な情報を設定します。
スニペットで表示される文字数には制限があるため、descriptionタグで設定する情報は、120文字までに文字数を押さえるとよいでしょう。
また、SEOキーワードを並べるだけの、文章になっていない情報を入れるのは避けましょう。
また、descriptionタグ内に、効果的にキーワードを入れると、もっと着実にSEO評価につながります。
(2)リッチスニペット:目立たせたい要素を構造化(マークアップ)する
リッチスニペットを表示させるには、構造化(マークアップ)したwebページを作りましょう。
「構造化データ」という埋め込み用の情報を設定(マークアップ)するというのは、いわばコンピューター自身にwebコンテンツの理解を促すことです。
マークアップについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
なお、Googleのリッチスニペットの方針も参考になりますので確認しておきましょう。
検索結果を充実させる方法は3つあります。コンテンツに応じて、最適な方法を選ぶことができます(複数可)。
・メタタグを使用して、文書内の重要な情報を識別する。
・HTML内でリッチスニペットマークアップをインラインで使用する。
・HTMLページにPageMapデータを追加する。
Googleが出している方針の中で「metaタグ」も有効と挙がっています。
metaタグとは、ユーザーを呼び込むためのwebページの設定情報を記述するタグのことです。
先ほど説明したdescriptionタグもmetaタグのひとつです。
正直なところ、Googleのサポートするmetaタグの中で、検索結果にリッチスニペットを表示させ、webページを読んでもらえそうな情報を設定できるmetaタグはほとんどないと言っていいでしょう。
しかし、Googleの検索結果という視点から離れ、ソーシャルメディアでwebページのURLを共有するとき、画像やwebページの要約などのリッチスニペットを表示させる「OGP設定」をする場合、metaタグはSEO対策では無視できない要素となります。
metaタグやOGP設定について詳しく知りたい方は、次もあわせてご覧ください。
(3)強調スニペット:できるだけ構造化(マークアップ)する
強調スニペットは、意図して表示させることは非常に困難です。
その裏付けとして、Googleの強調スニペットについてのコメントを押さえておきましょう。
自分のページを強調スニペットとして設定できますか?
ご自分のページを強調スニペットとして設定することはできません。Googleでは、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをプログラムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。
強調スニペットが、Googleの仕組みに依存するもので、対策が難しいことが公言されています。
しかし、強調スニペットとして扱われるコンテンツには、共通点があります。
検索順位が1位であるコンテンツよりも、キーワードが一致し、構造化(マークアップ)されているコンテンツが強調スニペットとして優先されやすいという点です。
強調スニペットに必要な「キーワードの一致」というのは、1ページ内にキーワードが多ければいいというものではないと推察されます。
例えば「IoT」と検索してみると、強調スニペットとして検索一位のwebページのイメージ図はピックアップされているものの、文章は検索順位2位のwikipediaからピックアップされています。
見たところ、どちらにも「IoT」のキーワード説明があります。
検索1位のページの方が1ページ内の「IoT」というキーワードの数自体は多く出現していますが、逆に大量にあるせいでGoogleの仕組みが、どこが定義で重要な文章なのか判定できなかった可能性があります。
あるいは、強調スニペットとして何度も同じキーワードが出現する文章を表示したくないと考えている可能性もあります。
どちらにせよ、強調スニペットは、検索順位に限らず、キーワードの説明が一つの文章でコンパクトにまとまっていることが「キーワードの一致」として判定され、重要視されていると言えるでしょう。
強調スニペットに必要な「構造化(マークアップ)」とは、リッチスニペット要素以外にも、構造化を行うということです。
例えば「切手代」の検索結果は、webサイトに掲載されている情報のなかからGoogleが再加工した表が強調スニペットとして表示されています。
この強調スニペットはHTMLのタグで作られた表を基に、作られています。
もし画像で作られていたら、再加工できないため、まず強調スニペットの対象にならなかった可能性が高いでしょう。
リッチスニペットの要素の表示のためにだけでなく、できるだけ構造化を行うことで、強調スニペットも同時に狙うことができます。
特に、よくある質問に該当するようなwebページを作成する場合は効果的でしょう。
また、Howtoに関するものであれば、複数のメディア媒体を用意し、動画の強調スニペットの表示を狙うのもよいでしょう。
つまり、画像と文章がメインのwebページというコンテンツだけでなく、webページと同じ内容の動画コンテンツをあわせて用意するということです。
ただし、動画の強調スニペットは、Googleによる加工や編集などはなく、動画のカテゴリで同じキーワード検索したものの上位の動画がそのまま表示されています。
表示される動画はmetaタグをきちんと入れているものが優先されているようですが、検索上位の動画の多くはその条件は満たしているため、注目される要因がない限り、新しく動画を用意してもすぐに強調スニペットとして表示されるということはまずないと言っていいでしょう。
気長に、あわよくば、という心持ちで臨みましょう。
まとめ
スニペットに関連したSEO施策をしたいなら、ノーマルなスニペットとして表示されやすいdiscripeionタグ内の文章を入れ込むことから始めるのがよいでしょう。
次の段階として、リッチスニペットに関わる要素の構造化(マークアップ)を行い、あわよくば強調スニペットとして表示されることを狙って、webページ全体の構造化に取り組むのが、妥当なSEO対策のステップアップと言えるでしょう。