
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
SEO対策についての情報をキャッチアップする中で、webの管理者が最も動向を気にする存在といえば、検索エンジンを提供しているGoogleです。
昨日まで有効だと思っていたSEO対策が、Googleの方針転換であっという間に効力がなくなる…なんていうこともあるわけで、SEO対策として何を優先すれば良いか判断に迷うこともあるかと思います。
そこでSEO対策を行う上で一度は読んで頂きたいのが、Googleが提供している「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」です。
これは検索エンジンを運営しているGoogle自身が公開している、いわば「SEOの赤本」です。
今回は、SEO初心者から上級者まで必読のスターターガイドについて各項目にそって解説していきます。
目次
- 1 SEO対策をするなら必ず読んでほしいGoogleの「SEOスターターガイド」とは?
- 2 改訂版スターターガイドの内容を解説
- 2.1 はじめに
- 2.2 Googleへのサイトの登録
- 2.3 Googleにサイトを表示する
- 2.4 SEOの専門家が必要かどうか検討する
- 2.5 Googleがコンテンツを見つけられるようにする
- 2.6 クロール対象外のページをGoogleに指示する
- 2.7 Google(とユーザー)がコンテンツを理解できるようにする
- 2.8 Googleがユーザーと同じようにページを確認できるようにする
- 2.9 各ページに固有の正確なタイトルを付ける
- 2.10 見出しタグを使用して重要なテキストを強調する
- 2.11 構造化データマークアップを追加する
- 2.12 Google検索結果での表示を管理する
- 2.13 サイトの階層を整理する
- 2.14 コンテンツを最適化する
- 2.15 画像を最適化する
- 2.16 サイトをモバイルフレンドリーにする
- 2.17 ウェブサイトを宣伝する
- 2.18 検索のパフォーマンスとユーザーの行動を分析する
- 3 まとめ
SEO対策をするなら必ず読んでほしいGoogleの「SEOスターターガイド」とは?
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドとは、Googleがwebサイトの運営に関わる幅広い層を対象に作成・公開しているSEO対策マニュアルです。
Googleは「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」を使命として、検索エンジンの精度を高めるためのアップデートを繰り返し実施してきました。
そんな中、2017年12月13日にGoogleは「検索エンジン向けに最適化されたwebサイトの作成に役立つリソース」として、SEO対策の指針となるスターターガイドを7年ぶりに大幅に改訂し公開しました。
現在、日本語を含む9言語に翻訳し公開されています。
参照:検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドを大幅に改訂しました
旧版にあたる2010年9月に公開されたスターターガイドから大きく内容が変わったわけではありませんが、「検索エンジン最適化の必要性」が冒頭に追記されて、「構造化データマークアップの追加」「モバイルフレンドリーなウェブサイトの構築」が新たな節で設けられており、GoogleがSEO対策として重要視している項目に追記・修正していることが伺えます。
では早速、改訂版スターターガイドの内容を見ていきましょう。
改訂版スターターガイドの内容を解説
はじめに
こちらはスターターガイドを読みすすめる上で知っておきたい用語集になります。
SEOの基本用語なので、わからなければここで意味をしっかり把握し頭に入れておきましょう。
Googleへのサイトの登録
SEO最初のステップとしてGoogleにwebサイトを認識してもらう必要があることを説明しています。
Googleの検索エンジンにwebサイトが登録されることを「インデックス」といいますが、インデックスされているかを確かめる方法としてwebサイトのURLの前に「site:」をつけて検索する方法が載っています。
インデックスされている場合は、次のように表示されます。
webサイトがインデックスされていない場合は、「URL●●に関する情報は見つかりませんでした。」という検索結果となります。
まずは検索エンジンに見つけてもらわないと検索結果に表示すらされません。
他のSEO対策もすべて無駄になってしまいますので必ず確認しましょう。
Googleにサイトを表示する
Googleの検索結果にwebサイトを表示させる仕組みについて説明しています。
大抵のwebサイトは何もしなくてもGoogleが見つけてインデックスしていきますが、より確実に見つけてほしい場合などは、Googleが提供しているSearchConsoleを活用することも記載されています。
SEOの専門家が必要かどうか検討する
SEOの専門家の有用性について言及しつつも、まずはこのスターターガイドを理解しましょう、という主旨の説明が書いてあります。
SEOの専門家に相談するとしても、スターターガイドの内容は理解しておいたほうが良いでしょう。
Googleがコンテンツを見つけられるようにする
Googleがコンテンツの存在に気づくようにするためにサイトマップの送信を推奨しています。
効果的なサイトマップの作成については、以下でも解説しています。
クロール対象外のページをGoogleに指示する
SEOの精度を高めるためにGoogleに見つけてほしくないwebページがある場合は、それをGoogleに伝えることができます。
Googleではおすすめの方法として「robots.txt」を活用するようにすすめています。
Google(とユーザー)がコンテンツを理解できるようにする
ここではwebページを作成する時に押さえておきたい項目が列挙されています。
管理しているwebサイトで対応が漏れている項目はないかチェックしてみてください。
Googleがユーザーと同じようにページを確認できるようにする
Googleはユーザーと同じような動きをしてwebページを参照するようにしているといっており、その確認方法としてURL検査ツールを使用するように推奨しています。
参照:URL検査ツール
こちらのツールを使うとwebサイトがどのようにGoogleにインデックスされているのかわかるので是非活用しましょう。
各ページに固有の正確なタイトルを付ける
・検索結果に適したタイトルとスニペットを作成する
・「description」メタタグを使用する
SEOで重要なタグの一つである「title」タグについて、webページ固有のものをつけるように推奨しています。
webページに内容をわかりやすく簡潔に伝えるタイトルをつけることが重要です。
タイトルやスニペットについては、以下のページでも詳しく書いています。
見出しタグを使用して重要なテキストを強調する
見出しに使われるタグはユーザーが情報を見つける際の手がかりとなるため、適切につかうように説明しています。
ただし、どこが重要かを判断できない多用は避けるようにしましょう。
以下にも詳しく解説していますのでご覧ください。
構造化データマークアップを追加する
今回の改訂で新たに加わった節の一つで、検索エンジン向けにコンテンツが認識しやすいように追加できるコードについて説明しています。
おすすめの方法として「リッチリザルト」を挙げています。
こちらで詳しく解説しています。
Google検索結果での表示を管理する
構造化データマークアップによって検索結果の表示に幅がもらせられることについて書いています。
前述の「構造化データマークアップを追加する」を意識して作成しましょう。
サイトの階層を整理する
・検索エンジンによるURLの使用方法を理解する
・検索エンジンにとって重要なナビゲーション
・ホームページに基づいてナビゲーションをプランニングする
webサイト内の個々のwebページに振られているURLは、いわばwebサイト上の住所に相当します。
Googleはその住所を見て、個々のwebページがwebサイト内のどのカテゴリに属しているのかを判断しているのです。
住所でいうと何県の何町に住んでいるのか、といったことですね。
URLやwebサイトの構成を考えるときは、コンテンツごとにカテゴリをわけるなどしてわかりやすい構造とURL設定をしましょう。
URLの付け方については、以下でも解説しています。
・「パンくずリスト」を使用する
・ユーザーにとってシンプルなナビゲーションページを作成する
webサイト内でユーザーが今どこにいるのかをわかりやすくするために、「パンくずリストの設定」と「webサイト内のwebページを一覧化したサイトマップの作成」を推奨しています。
パンくずリスト作成についてはこちらを参照ください。
・コンテンツの情報を伝える分かりやすいURL
・URLは検索結果に表示される
URLはいわばwebページ上の住所であり、検索結果にも表示される項目です。
この住所をユーザーが理解しやすいよう、webページの内容に関連した単語を付けることを推奨しています。
以下も参考にしてください。
コンテンツを最適化する
SEOで最も重要な部分です。
webサイトごとに運営方針やコンテンツの作り方は異なるので、具体的なところの言及はしていませんが、総じて「ユーザーファースト」なコンテンツを作成することを重きにおいている説明がされています。
・興味深く有益なサイトにする
・読者が求めているものを把握して提供する
ユーザーがコンテンツを有益だと感じ拡散するようなコンテンツを作成することはもちろん、ユーザーの興味があるキーワードを把握するために、キーワードプランナーの活用をすすめています。
参照:キーワードプランナー
・ユーザーの信頼を得られるようにサイトを構築する
・専門性と権威性を明確にする
・テーマに応じた適切な量のコンテンツを提供する
ユーザーが閲覧したwebサイトを有益かどうか判断するためにはwebサイトの管理者やコンテンツの発行元などを記載し、信頼性を高めることが大切です。
専門家が監修したコンテンツや信頼できる機関が公開した情報ならば、それをwebページに記載しておくとよいでしょう。
かといってユーザービリティが損なわれるような長大なwebページではいけません。
ユーザーが理解しやすいように、情報を取捨選択していく視点も忘れないようにしましょう。
・気が散る広告を避ける
こちらは「ユーザーファースト」の考え方なら当然のことですが、ユーザーがコンテンツを見る際に気が散るような広告の表示や配置は避けましょう。
・リンクを上手に使う
リンク先にどのような情報が書かれているのかわかるようにアンカーテキストを使うことを推奨しています。
簡潔でわかりやすいテキストや、どれがリンクなのかわかるような表示分けがユーザービリティを向上させます。
画像を最適化する
・「alt」属性を使用する
alt属性とは、画像につける説明文のことです。
これを設定しておくことで万が一画像が表示されない場合でも、ユーザーは何の画像があったのか把握することができます。
また最近では画像にリンクが設定してある例も多くなってきましたが、このときにalt属性がリンクテキストにもなります。
・検索エンジンが画像を見つけやすくする
検索をする際に「画像」を選択した場合に使われるものになります。
業種的に画像検索を強化したい場合などは、画像サイトマップを設定しましょう。
参照:画像サイトマップ
・標準の画像形式を使用する
ブラウザがサポートしている画像形式を使うことを推奨しています。
特に大きな理由がなければ、画像はJPEG、GIF、PNGの形式を使いましょう。
サイトをモバイルフレンドリーにする
こちらも今回の改訂から加わった節になります。
近年Googleはモバイル端末にwebサイトを最適化するモバイルフレンドリーを強く推進しているため、SEOの評価としても重要な項目になります。
・モバイル戦略を選択する
・正確にインデックス登録されるようにモバイルサイトを設定する
webサイトをスマートフォンなどのデバイスに対応させるためには、webサイトの制作段階でPCサイトと分けて制作するかどうかといった検討が必要になる場面もあります。
Googleは1つのHTMLファイルでPC向けとモバイル向けを出し分けて表示するレスポンシブデザインを推奨しています。
また制作したらGoogleが提供している「モバイルフレンドリーテスト」を使って、どれだけ最適化しているのかチェックできるツールも用意しています。
もはやモバイルフレンドリーはSEO上必須の対策といえるでしょう。
またモバイルフレンドリー化したwebページが、Googleにインデックスされているかの確認も忘れないようにしていきましょう。
ウェブサイトを宣伝する
Googleは宣伝の方法として名刺や広告などのオフラインでの宣伝に加え、SNSを使ってコンテンツを探しているユーザーにアプローチすることをすすめています。
飲食店やサロンなど店舗を構えていて自社webサイトの運営もしている方には、特定のキーワードを入れるとお店の場所を記したGoogleマップや店舗情報をナレッジパネルという形式で表示するGoogleマイビジネスが、宣伝に役立つとしています。
参照:Googleマイビジネス
検索のパフォーマンスとユーザーの行動を分析する
・検索のパフォーマンスを分析する
・サイトでのユーザーの行動を分析する
検索エンジンがどのようにwebサイトを評価しているのか、またユーザーがどのようなキーワードで流入しているかを把握するための方法として、前述した「SearchConsole」を推奨しています。
ユーザーの検索キーワードは、webサイト分析の重要な情報です。
同じくGoogleが提供しているwebサイト分析ツールの「GoogleAnalytics」もwebサイト全体の傾向やユーザーの流入元が把握できる便利なツールになります。
2つのツールは継続的なwebサイトの運用に役立つので、是非活用していきましょう。
まとめ
Googleが提供している「SEOスターターガイド」について、項目ごとにまとめて解説しました。
日々webサイトを運用していると、つい忘れてしまいがちなSEOの基本がまとまっているマニュアルであり、検索エンジンの評価の仕組みを作っているGoogleの方針が読み解ける有用なガイドです。
SEO対策で迷ったら、まずはSEOスターターガイドを読み込んで、自分のwebサイトでできる項目がないかチェックしてみると、解決策が見つかるかもしれません。