
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
SEO対策をするために、サブドメインの利用を検討されている方も多いでしょう。
ただ、サブドメインがSEOにどんな効果があるのか、具体的にご存知でしょうか。
SEOとの関係性を理解していないと、サブドメインを活用したところで、SEO対策には繋がりません。
本記事では、サブドメインのメリット・デメリットと共に、混在されることが多いサブディレクトリとの違いについてご紹介します。
SEOからみたサブドメインとサブディレクトリの違いを理解し、上位表示できるサイトへと改善していきましょう。
目次
サブドメインとは
まず、そもそもサブドメインとは何なのかをご説明いたします。
サブドメインとは、既存のドメインをさらに細分化し、それぞれを独立したサイトとして運用する方法の一つです。
分かりやすいよう、「Yahoo!」を例にして説明します。
Yahoo!のメインサイトであるYahoo!JAPANのドメインは下記のようになります。
上記の「yahoo」という部分がドメインと呼ばれている部分です。
対して、サブドメインに関しては、下記のようになります。
- Yahoo!ショピング:https://shopping.yahoo.co.jp/
- Yahoo!トラベル:https:///travel.yahoo.co.jp/
- Yahoo!天気・災害:https://weather.yahoo.co.jp/
- ヤフオク!:https://auctions.yahoo.co.jp/
上記「http://〇〇.yahoo.co.jp」この〇〇の部分がサブドメインとなります。
「〇〇」の部分を「ショピング」や「トラベル」などにカテゴリ分けすることで、同じドメインながらも独立したサイトとして運用することができます。
サブディレクトリとは
サブディレクトリとは、一つのディレクトリの下層に作成されたディレクトリのことを指します。
ここで言うディレクトリとは、フォルダのようなものをイメージしてください。
メインサイトと同じテーマのフォルダを増やすなら、サブディレクトリを活用することが効果的です。
サブディレクトリを活用している通販サイト「ZOZOTOWN」を例にしてご説明します。
ZOZOTOWNでは、ファッションから雑貨まで様々な種類の商品を取り扱っているため、サブディレクトリを活用して、各ページをカテゴリ分けしています。
- トップス:https://zozo.jp/category/tops/
- パンツ:https://zozo.jp/category/pants/
- シューズ:https://zozo.jp/category/shoes/
上記「http://zozo.jp/category/〇〇/」この〇〇の部分がサブディレクトリとなります。
サブドメインでは、それぞれを独立したサイトとして運用するとご説明しましたが、サブディレクトリでは、1つのドメイン内に各コンテンツを増やしていきます。
取り扱っている商品はそれぞれバラバラですが、ZOZOTOWNという大きなフォルダの中で各ページを分類しているため、サブドメインではなくサブディレクトリを活用しています。
サブドメインのメリット・デメリット
簡単にサブドメインと、サブディレクトリのご紹介をしました。
では、サブドメインにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
サブドメインのメリット
管理する手間を省くことができる
まず挙げられるのが、管理する手間を省くことができるという点。
先述したように、サブドメインを用いることで一つのドメインさえ取得しておけば、それぞれ独立したサイトとして運用することができます。
管理の手間を省けることはもちろん、ユーザー側も、自分がどのサイトを見ているのか判断しやすくなります。
例えば、ネームバリューのある会社が運営しているサイトが複数存在しているとしましょう。
- それぞれのサイトにバラバラのドメインが設定されている場合
- ドメインは全て同じでサブドメインのみ異なる場合
どちらのサイトが信頼できるでしょうか?
ネームバリューのある会社なら、間違いなく後者だと言えます。
先ほど例として挙げたYahoo!以外には、楽天もサブドメインを有効活用しています。
楽天の場合は、楽天トラベルや電子書籍のサイトでサブドメインを活用し、それぞれ独立したコンテンツとして伸ばしています。
しかし、楽天モール内にある「ファッション」「食品」「家電」などはサブディレクトリ を活用して、サイト全体の関連性を高めています。
複数のサービスを提供している会社こそ、サブドメインを活用する恩恵は大きいでしょう。
コストを抑えられる
サブドメインを使わず複数のドメインを取得するとなると、当然ながらその分コストがかかってきます。
しかし、サブドメインは独自ドメインを一つ持っていれば、そのドメインから複数のサイトを運営することができるため、コストが発生することはありません。
これも大きなメリットの一つと言えるでしょう。
サブドメインのデメリット
メインサイトの存在が知られる
何らかの理由でメインサイトの存在が知られたくない場合であっても、サブドメインのユーザーにはメインサイトの存在が筒抜けになります。
冒頭で例にあげたYahoo!を元に説明すると、サブドメインとメインサイトの違いは、以下の【】部分だけになります。
- メインサイト:https://www.yahoo.co.jp/
- サブドメイン:https://【shopping】.yahoo.co.jp/
【】の部分を削除するだけで、メインサイトへアクセスすることができてしまいます。
他に運営しているサイトの存在が知られたくない場合は、サブドメインそのものの使用は見送るべきでしょう。
メインサイトの評価を受け継がない可能性がある
たとえメインサイトがSEO評価を受けていたとしても、サブドメインで作成したサイトは、その評価を受け継がない可能性があります。
サブドメインのメリットとして、一つのドメインから複数のドメインを取得できるとお伝えしました。
しかし、サブドメインを用いたサイトは、一つの独立したサイトとして扱われます。
したがって、各サブドメインサイトを一つずつ別サイトとして評価するため、メインサイトの評価とサブドメインで作成したサイトの評価はイコールにはなりません。
一からドメインパワーをつける手間や時間がかかる可能性があることを、忘れずに把握しておきましょう。
サブディレクトリのメリット・デメリットとは
サブドメインには、コストが抑えられる等のメリットだけでなく、デメリットも存在します。
では、同様にサブディレクトリにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ご紹介していきます。
サブディレクトリのメリット
SEOの評価を受けやすい
サブディレクトリを用いて複数のサイトを作成すると、当然ながらサイト内の情報量が増加していきます。
ここがサブドメインとの大きな差になるのですが、サブドメインは一つ一つが独立したサイトになるのに対し、サブディレクトリはひとつのサイトの中に複数のページがあるということ。
つまり、メインサイトがGoogleから評価されることで、サブディレクトリのサイトも同様の評価を受けることができるのです。
メインサイトとサブディレクトリのサイトが同様の評価を受けられるため、ドメインパワーの向上にも繋がると言えるでしょう。
メインサイトのネームバリューを活用できる
繰り返しになりますが、メインサイトの評価はサブディレクトリにも引き継がれます。
サブドメインはそれぞれのサイトが独立したものとして認識されてしまうものの、サブディレクトリはひとつのサイトに多くの情報量が追加されることになります。
したがって、ドメイン全体のパワーのひとつになるということ。
さらに、メインサイトの知名度が比較的高ければ、新規でサイトを作成したとしてもユーザーからの信頼感を集めることができます。
設定の手間がかからない
サブディレクトリは同一のドメイン内に、コンテンツを増やしていくものです。
つまり、新しくサーバーを取得したり設定をするといった手間がかかりません。
新規でドメインを取得するのに比べ、遥かに楽だと言えます。
サブディレクトリのデメリット
ペナルティの影響を直に受ける
サブディレクトリは、メインサイトの元で運営しているサイトでもあります。
したがって、メインサイトがペナルティを受けてしまうと、同様にサブディレクトリのサイトもペナルティを受けることになってしまいます。
加えて、サブディレクトリのサイトで品質の低いコンテンツを量産すると、メインサイトにも影響を及ぼします。
互いのサイトは一心同体であるものだと認識しておきましょう。
メインサイトの表示速度が遅くなる可能性がある
サブディレクトリは、メインサイトに様々なカテゴリのフォルダを追加していきます。
フォルダが追加されることで、より多くの情報を入手することができますが、それと同時にメインサイトへの負荷も大きくなります。
サイトの表示速度も、検索エンジンの評価対象となります。
一般的に、Webサイトの表示速度が1秒遅れるだけで、
- ページビューが11%下がる
- ユーザー満足度が16%下がる
- コンバージョン率が7%下がる
と言われているため、こうしたリスクがあることも把握しておきましょう。
サブドメインとサブディレクトリ、どう使い分けるべき?
ここまでサブドメインとサブディレクトリの違いを解説してきましたが、SEOからみてどう使い分けるべきなのでしょうか。
結論から言うと、SEOからみて優劣に差はありません。
このことは、Googleからも公表されています。
Googleがサイトを評価する基準は「ユーザーファーストのコンテンツ」です。
したがって、サブドメインにしろ、サブディレクトリであったとしても、同じ一つのページとして評価を下します。
ユーザーにとって分かりやすいコンテンツ作りを意識することが大切です。
とはいえ、どう使い分けるべきかを理解しておくことも重要なポイント。
SEOからみて差はないものの、ユーザーにとって使いやすいコンテンツにする為にも、使い分け方についてみていきましょう。
サブドメインは、メインサイトと異なるテーマのサイトにおすすめ
メインである既存サイトと異なるテーマのサイトにする場合は、サブドメインを用いることをおすすめします。
繰り返しお伝えしているように、サブドメインは同一のドメインでありながらも、それぞれ独立したサイトとして運用することができます。
したがって、新規でドメインを契約しなくとも、異なるテーマのサイトを立ち上げられるということ。
冒頭でもお伝えした、Yahoo!を例にして考えてみましょう。
Yahoo!では、既にショッピング(https://shopping.yahoo.co.jp/)やトラベル(https:///travel.yahoo.co.jp/)など様々なコンテンツがあります。
Yahoo!で仮に、本の情報発信サイトやオンラインサイトを立ち上げることになったとすると、「https:///book.yahoo.co.jp/」このように表記することができます。
メインサイトとはテーマが異なりますが、サブドメインを用いることで、管理の手間を省くことができるようになるでしょう。
サブディレクトリは、メインサイトと同じテーマのサイトにおすすめ
メインサイトと同様のテーマを持つサイトを立ち上げる場合は、サブディレクトリを用いることをおすすめします。
改めてZOZOTOWNを例として考えてみましょう。
ZOZOTOWNには7,200以上の取り扱いブランドがあります。
各ブランドによって、取り扱っていう商品は違うものの、ZOZOTOWNで取り扱っているブランドになるため、サブドメインを使用して独立したサイトにする必要がありません。
むしろ、サブディレクトリを活用することで、サイト全体に一貫性を持たせることができます。
例えば、NIKEやadidasといった競合のブランドであっても、ZOZOTOWN内で取り扱っている場合は、
- NIKE:https://zozo.jp/brand/nike/
- adidas:https://zozo.jp/brand/adidas/
このように、サブディレクトリを活用してカテゴリ分けすることができます。
サブディレクトリを活用することで、各ページの管理が一つのドメインだけで済むため、データの管理や分析する時間を削減することも可能になるでしょう。
まとめ
サブドメインがSEOにどんな効果をもたらすのか、お分かりいただけたでしょうか。
サブドメインだけでなく、サブディレクトリの特徴も理解したうえで、どちらを活用すべきか判断することが重要です。
そして、どちらも共通しているのは、メインサイトがあるからこそ成り立つということ。
あなたのメインサイトが、サブドメイン・サブディレクトリどちらを活用できるか、まずは判断してみてください。
メインサイトを強化したうえで、サブドメインやサブディレクトリを活用することで、SEO対策にも効果を発揮するでしょう。