
コピー&マーケティング株式会社 代表取締役
山田 秀平(やまだ しゅうへい)
24歳で起業後、世界トップクラスのマーケッターやコピーライターからビジネスを学び、年商3000万円に満たない企業をすぐに約17倍の年商5億まで成長させる。コンテンツマーケティングでは、累計で12万人以上を集客してきた。現在はコンテンツマーケティングのインハウス支援に取り組んでいる。
「コンテンツマーケティング」という考え方は、2000年頃にアメリカで生まれた、新しいマーケティング手法のひとつです。
ただ、コンテンツマーケティングという言葉を知っていても、具体的な手法であったり、そもそもの意味が分かっていない方も多いでしょう。
コンテンツマーケティングとは何か、コンテンツマーケティングを実践する為にすべきことはどういったことなのか、この記事で徹底解説していきます。
目次
コンテンツマーケティングとは
まず、そもそもコンテンツマーケティングとはどういったものなのでしょうか。
簡単にご説明します。
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツを作り、コンテンツを通してお客様ニーズの育成や購買を経て、良い関係値を構築するマーケティング手法です。
もっと簡単にご説明すると、文字通り「コンテンツ」を用いた「マーケティング」のことです。
見込み客に対して有益となる情報を、コンテンツを通して発信していくことで、購買であったり問い合わせ、資料請求をするといった行動を起こさせます。
最終的にはファンとして定着させることで、読者は有益な情報を都度知ることができます。
一方、企業はユーザーをリピーターとして獲得することができます。
つまり、相互にメリットのある状況を作り出すことができるのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングとSEOの違いとは
コンテンツマーケティングとSEOは、よく混同されてしまうことがあります。
しかし、コンテンツマーケティングとSEOは、目標としているゴールが違うのです。
まず、コンテンツマーケティングの目的は、先述したように、読者に対して有益となる情報をコンテンツを通して提供し、最終的には購買であったり何らかの行動を起こさせるためのマーケティング手法のことです。
一方で、SEOの目的としていることは、読者に対して有益となる情報を提供することで、サイトのSEOやザービスの改善を図り、サイトへの流入を増加させる施策のことです。
SEO(検索エンジン最適化)はWebサイトへの流入を増やすための施策であり、コンテンツマーケティングはさらにその先の見込客に行動を起こさせるという意図があります。
基本的な考え方は同じですが、それぞれ目的が違うということを理解しておきましょう。
コンテンツマーケティングが注目されるようになった背景
近年コンテンツマーケティングに力を入れる企業が増えてきましたが、ここまで注目されるようになった理由のひとつとして、「広告費の高騰」があげられます。
これまで集客をするにあたり、一般的に使用されていたのがリスティング広告でした。
しかし、リスティング広告の単価は年々上昇を続け、回収ができなかったり採算が合わないといった事態もみられるようになりました。
そこで注目されたのがコンテンツマーケティングという手法です。
コンテンツマーケティングは基本的に、お客様のニーズを育て、長期の関係性を築いたうえで生涯にわたり得られる収益を最大化しようとする考え方です。
対して、従来のリスティング広告は、今すぐお客様から対価を得ようとする考え方です。
こうした考え方は消費者の購買行動の変化により、従来に比べて効果を発揮できなくなってしまったのです。
消費者の購買行動の変化とは
具体的な事例として、これまで消費者はテレビCMやネット広告等を通して、新商品に対する情報を得たり企業のことを知るということが当たり前でした。
しかし、近年では消費者が自らインターネットを使い検索する等の情報収集を行い、自ら購買の意思決定をするようになったのです。
これはスマートフォンやSNSといった、消費者自ら情報を得られるツールが広く普及したことが大きな要因と言えるでしょう。
こうした変化により、従来のリスティング広告であったりテレビCM、ネット広告を主としていた企業がコンテンツマーケティングにシフトするという流れができつつあるのです。
コンテンツマーケティングを実践する為にすべきこととは
ここまでは、そもそもコンテンツマーケティングとはどういったことなのか、何故コンテンツマーケティングの需要が高まっているのかについてご紹介いたしました。
コンテンツマーケティングの基礎的な部分はご理解いただけたでしょうか。
では、続いて実際にコンテンツマーケティングを実践する際にすべき6つの項目についてご説明いたします。
1.ペルソナを設定し、ターゲットとなる人物像を決める
コンテンツマーケティングを実践するために、まずはペルソナを設定する必要があります。
ペルソナとは、架空の見込み顧客像のことを指します。
- 職業
- 年代
- どんな悩みを抱えているのか
といった細かい設定を予め作成しておきます。
既存の顧客が既にいる場合は、その中から優良顧客の情報をリストアップすることをおすすめします。
既にファン化している顧客の情報からは何らかの共通点を炙り出しやすいですからね。
ターゲットとなる具体的な人物像を作成することができましたら、その情報を社内で共有してください。
ここで作成したペルソナの人物像を社内の共通認識とすることで、ブレがない一貫性のあるメディアを作成することができます。
2.カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナの作成が完了したら、続いてカスタマージャーニーマップの作成へと進んでいきます。
カスタマージャーニーとは、ターゲットとなる顧客が製品を認知してから購入に至るまでの流れのことを表します。
そして、その行動を1にまとめて可視化したものを、カスタマージャーニーマップと呼びます。
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客行動を時系列で理解することができ、購入に至るまでの思考や感情を客観的に捉えることができます。
その間に顧客がどんな情報を必要とするのかを、カスタマージャーニーマップをもとに洗い出し漏れなくコンテンツに落とし込む必要があります。
ペルソナが具体的に定まっている状態ですから、この段階で必要なコンテンツは絞り出しておくことが大切です。
3.コンテンツスケジュールを立て、オウンドメディアを構築する
カスタマージャーニーマップの作成が完了したら、次はコンテンツスケジュールの作成へと入ります。
スケジュールを立てることなくオウンドメディアの作成へと進むと、顧客に提供する情報に漏れが生じたり、コンテンツ内容にブレが生じる可能性が高いです。
- いつ
- 誰が
- 何を提供するのか
といったスケジュールを必ず立て、計画通りに進めていけるようにしましょう。
それができて初めて、オウンドメディアの構築へと取り掛かっていきます。
オウンドメディアとは、自社で所有するメディアのことを指します。
既にメルマガ等を使用している場合であったとしても、コンテンツを溜めていけるサイトを新しく制作するようにしましょう。
近年では、ブログ型のサイトにコンテンツを追加していき、コンテンツ内にあるバナーやブロク記事内のリンクから読者が購入に至る導線を敷く流れが多くなってきました。
ブログ型のサイトにも様々な種類があるため、自社で設定したペルソナに最も当てはまるものを選択できるようにしましょう。
4.記事を作成する
オウンドメディアの構築ができましたら、コンテンツマーケティングの肝となる記事作成を進めていきます。
記事作成をする際のポイントとなるのは、
- ペルソナやカスタマージャーニーマップに沿った内容であること
- 記事先で読者に起こして行動を明確にすること
- 需要があるキーワードに沿って作成すること
こちらです。
コンテンツマーケティングの目的は、読者にとって価値あるサービスを提供するためのコンテンツを作成すること。
その後、コンテンツを通してお客様ニーズの育成や購買を経て、良い関係値を構築することです。
つまり、しっかりペルソナを理解し、読者に価値を感じてもらえるようなブレのない内容に仕上げなければなりません。
外注を使って記事の依頼をする際も、この点は共通認識として擦り込めるようにしましょう。
5.メルマガやSNSを使って拡散する
記事の作成も進み、ある程度コンテンツの追加ができたら、次はさらに多くの顧客に情報を拡散しましょう。
価値のあるコンテンツが作成できたとしても、人の目に触れなくてはそのコンテンツの価値はゼロということ。
顧客のリストを所有している場合は、メルマガ等を通してメディアの存在を認知してもらうことが大切です。
また、SNSを開設し情報発信を行ったり、動画広告を使うこともおすすめな方法です。
今やTwitterやFacebook、InstagramやLINEなどSNS戦国時代を迎えています。
ペルソナで設定したターゲットが最も多く活用しているSNSは何なのかをリサーチしたうえで、活用していくことで効果的に読者を増やすことが可能になるでしょう。
6.コンテンツを分析する
コンテンツの作成も進み、多くの顧客に認知されるようになってきたら、都度コンテンツの分析も進めていきましょう。
繰り返しになりますが、コンテンツマーケティングのポイントは「どれだけ読者に価値のある情報を提供できているか」になります。
- コンテンツに記載してある情報は古くないか
- コンテンツ内容に変更点はないか
- 読者の満足度を得られている内容なのか
といった、各コンテンツの基本的な見直しはもちろん、
- サイトへの流入数はどのぐらいなのか
- どのような経緯でサイトへ流入したのか
- 最も閲覧されているコンテンツ・Webページはどれか
- コンテンツやWebページからどれだけ購入に促せているのか
こうした情報を数値化して分析し、改善を図っていくことでサイトの価値を高めていくことができますし、結果としてさらなる読者を集めることができます。
予め期間を絞って目標を設定しておくことで、より精度の高い分析、改善を行うことができます。
まとめ
コンテンツマーケティングの基礎や、実践するためにすべきことをご紹介いたしました。
近年需要が高まっているコンテンツマーケティングですが、消費者の購買行動が目まぐるしく変化している為、今後さらに取り入れる会社は増加していくでしょう。
潜在顧客への理解を深め、顧客数を増加させていくためにも、積極的にコンテンツマーケティングを導入されることをおすすめします。